この記事について
UnityでiOSアプリを正しくビルドするためには、いくつかの重要な設定手順があります。この記事では Build Profiles(Build Settings) を中心に、実際の設定方法からよくあるエラー対策まで解説します。
この記事でわかること
- Build Profiles画面のPlatformsで「iOS」に切り替える
- 必要なシーンを「Scenes List」に登録
- 「Run in Xcode as」でデバッグかリリースを選択する
- Platform Settingsの設定は用途に応じて調整
- 正常に書き出せないときは再Switch PlatformやEditor再起動で改善されることもある
Build Profiles(Build Settings) とは?
Build ProfilesとはUnity6から導入された新機能で、「ビルド設定を複数のプロファイルとして保存・切り替えできる仕組み」 のことです。
従来の Unity では、ビルドターゲットやシーン設定、スクリプト定義シンボル、プラットフォーム固有の設定などをいちいち手動で切り替える必要がありました。
Build Profiles を使うと、それらをまとめて「プロファイル」として管理できるため、開発環境・デバッグ用・本番リリース用 などの複数構成を簡単に切り替えられるようになります。
iOSビルドの前提:UnityバージョンとMac環境の準備
- Unityバージョン: 本記事では6000.0.37f1で確認済みです。
- OS環境: iOSビルドはMac + Xcode環境が必須。
※Windows単体では最終的なビルド・App Store申請はできません。 - iOS Supportモジュールの導入: Unity HubのAdd Modulesから「iOS Build Support」を事前に追加してください。
Unity Hubについては以下の記事を参考にしてください。
Build Profilesの基本構成・設定
基本構成
Build ProfilesはUnityメニューから「File」→「Build Profiles」で開くことができる。

iOSプラットフォームへの切り替え(Switch Platform)
Build Profilesでは出力するPlatformが選択できる。まずは、「iOS」を選択し、「Switch Platform」をクリックするとiOS用の出力に切り替わる。
注意点
- 切り替えには数分かかることがあります(特に最初の切り替え)
- エラーが出る場合はUnityの再起動や再インポートで解決することもあります

Scenes List:シーン登録
ゲームを出力する際にScene Listに出力したい全てのシーンを入れておく必要がある。
注意点
- 最初に起動するシーンは上から順に読み込まれる
- シーンファイルが 「Assets/Scenes/ 」にあるか確認

Platform Settingsの選択
「Run in Xcode as」でデバッグかリリースの選択
- Debug:デバッグビルド(ログ出力やエラー情報あり)。開発中や検証用
- Release:本番用ビルド(最適化されたコード)。App Store提出や配布用はこちら

Compression Method
- Default:最適な圧縮方法を自動で選択。基本はこれでOK
- LZ4:高速圧縮・解凍。開発時のビルドが早くなる
- LZ4HC(高圧縮):高圧縮率(High Compression)。ファイルサイズを小さくしたい場合に選択。ただしビルド時間は長くなる

Development Buildなどのチェックボックス
リリース時にはすべてOFFにするのが基本。

チェック項目 | 説明 |
---|---|
Development Build | 開発用ビルド。ログ出力やデバッグ情報を含むビルドを生成 |
Script Debugging | C#スクリプトの実行中デバッグ(ブレークポイント設定、ステップ実行など)を可能にする |
Autoconnect Profiler | ビルド起動時にUnity Profilerを自動で接続する設定 |
Deep Profiling Support | Profilerで関数単位の詳細な呼び出し履歴やメモリ使用状況を記録 |
よくあるビルド失敗とその対策
症状 | 原因と対策 |
---|---|
Buildボタンがグレーアウト | iOS Supportが未インストール |
Switch Platform後にクラッシュ | 一度Unityを再起動 or Libraryフォルダを削除 |
iOSで真っ黒画面 | 最初のシーンが登録されていない/ロードに失敗している |
Xcode側でシンボルリンクエラー | Libraryキャッシュを削除して再ビルドすると改善することもあります |
まとめ
UnityでiOSアプリをビルドするためのBuild Profilesは、たった数分の設定でその後の開発効率・リリース成功率を大きく左右します。
特に大事なポイントは以下の5つ:
- iOSプラットフォームへの切り替えを忘れない
- 必要なシーンを正しく登録する
- Run in Xcode asはリリース時は「Release」を選択する
- Development Build系のチェックは検証中のみ
- ビルド失敗時は、再起動やLibrary削除で改善できることもある
本記事はここまでになります。もし、ビルドで困ったことがあれば本記事を再度見て解決していただけると幸いです。それでは、安定したiOS開発をしていきましょう!