Unity入門

【Unity】デバッグ・パフォーマンス最適化 | プロファイラー・メモリ管理・軽量化テクニック

Unityでゲームを開発していると処理負荷に関する問題に対処することがあります。

  • ゲームが重くなる・フレームレートが低下する
  • メモリ使用量が増えてクラッシュする
  • 動作がカクつく・入力が決まるなど

これらを解決するためには、Unityのデバッグツール(コンソール・プロファイラー)を活用し、メモリ管理や最適化を行うことが重要です
この記事では、Unityのデバッグツールの使い方、パフォーマンス最適化の方法、メモリ管理、軽量化テクニックまで詳しく解説します!

この記事でわかること

  • Unityのデバッグツール(コンソール・プロファイラー・フレームデバッガー)の使い方
  • CPU・GPU・メモリ負荷の最適化テクニック
  • オブジェクトの動的管理(プーリング・GC対策)
  • パフォーマンス改善のベストプラクティス

Unityのデバッグツール

Unityには、開発中のバグを見つけたり、パフォーマンスの問題を解析するためのツールが用意されています。

コンソール(デバッグログ)

Debug.Log()を使えば、コードの状態を確認できます。
エラーの発生箇所を特定するのに便利!

Debug.Log("ゲーム開始!");
Debug.LogWarning("警告:データが保存されていません");
Debug.LogError("エラー:スクリプトが動作していません");

※ Consoleについてわからない方はこちらを参考にしてください。

プロファイラー(パフォーマンス解析)

Window→ Analysis→Profilerを開くと、CPU・GPU・メモリの負荷を確認できます。
ゲームが重い場合、プロファイラーでCPU/GPUのボトルネックを特定!

プロファイラーの項目説明用途
CPU Usageスクリプト、レンダリング、物理演算、ガベージコレクションなど、異なるプロセスに費やされるCPU時間を測定。スクリプトやレンダリングのボトルネックを特定し、CPUパフォーマンスを最適化。
Renderingドローコール、カリング、バッチ処理、GPU処理など、レンダリングのパフォーマンスを追跡。ドローコールを削減し、シェーダーを最適化してフレームレートを向上。
Memoryテクスチャ、オブジェクトの割り当てなど、メモリの割り当てと使用状況を監視。メモリリークの管理、GC割り当ての削減、アセットのロードを最適化。
Audioミキシング、DSP、遅延などのオーディオ処理を分析。スムーズなオーディオ再生を保証し、遅延やパフォーマンスの問題を診断。
Videoビデオの再生とデコードのパフォーマンスをプロファイル。ビデオ再生を最適化し、スムーズなパフォーマンスを実現。
Physics物理演算の計算とCPUへの影響を調査。不要なリジッドボディの相互作用を減らして物理演算を最適化。
Physics(2D)2D物理演算の計算を特に監視し、最適化。2Dゲームの物理演算を最適化し、効率的な処理を実現。
UIレイアウト計算やレンダリング時間など、UIのパフォーマンスを追跡。UIのパフォーマンスを最適化し、レスポンスの向上やフレーム落ちを防止。
UI DetailsUI要素の詳細なパフォーマンス影響を分析。複雑なレイアウトに関連するUIパフォーマンスの問題を特定し、修正。
Realtime GIリアルタイムのグローバルイルミネーション計算を監視。リアルタイムのライティング計算を最適化し、パフォーマンス向上。
Virtual TexturingUnityの仮想テクスチャリングシステムのパフォーマンスとメモリ使用状況を分析。テクスチャのストリーミングを改善し、高品質なアセットを低メモリで実現。

フレームデバッガ(描画負荷の確認)

Window→ Analysis→Frame Debuggerを開くと、どのオブジェクトが負荷をかけるかを確認できます。

オーバードロー(透明なオブジェクトの重なり)をチェック!
ドローコール(描画回数)が多い場合、バッチ処理を最適化!

CPU・GPUの負荷を軽減する方法

Update()の最適化

Update()は毎フレーム実行されるため、処理が重いとフレームレートが低下します。
不要な処理を減らし、負荷を分散!

//Update() の負荷を軽減
void Update()
{
    if (Time.frameCount % 10 == 0) // 10フレームに1回実行
    {
        CheckObjects();
    }
}

物理演算の最適化

FixedUpdate()で処理する物理演算は、必要なオブジェクトのみ適用しましょう。
物理演算の精度を向上し、カクつきを防ぐ!

//RigidbodyInterpolationを有効化
rigidbody.interpolation = RigidbodyInterpolation.Interpolate;

GPU負荷の軽減

影のクオリティを調整(Quality Settings)
不要なライティングを削減(Baked Light活用)
テクスチャサイズを縮小し、メモリ使用量を最適化

メモリ管理とGC(ガベージコレクション)対策

不要なオブジェクトを削除

オブジェクトをDestroy()するだけでは、メモリは解放されません。
UnloadUnusedAssets()で不要なテクスチャやオブジェクトを削除!

//メモリ解放
Destroy(gameObject);
Resources.UnloadUnusedAssets();
System.GC.Collect();

スクリプトでGCを最適化

List<>やstringを定期的に生成すると、GC(ガベージコレクション)が発生し、カクつく原因になります。
StringBuilderを使うと、GC発生を抑えられる!

using System.Text;

//文字列結合StringBuilderを変更
StringBuilder sb = new StringBuilder();
sb.Append("スコア: ");
sb.Append(100);
Debug.Log(sb.ToString());

オブジェクトプール(Pooling)の活用

オブジェクトの生成・削除を繰り返すと、メモリリークの原因になります。
Poolingを使うことで、オブジェクトを使い捨てすることができます。
オブジェクトを使い捨てることで、メモリ管理を最適化!

//オブジェクトプールの実装
using System.Collections.Generic;
using UnityEngine;

public class ObjectPool : MonoBehaviour
{
    public GameObject prefab;
    private Queue<GameObject> pool = new Queue<GameObject>();

    public GameObject GetObject()
    {
        if (pool.Count > 0)
        {
            GameObject obj = pool.Dequeue();
            obj.SetActive(true);
            return obj;
        }
        return Instantiate(prefab);
    }

    public void ReturnObject(GameObject obj)
    {
        obj.SetActive(false);
        pool.Enqueue(obj);
    }
}

ゲームを軽量化するテクニック

テクスチャサイズを最適化

Texture Import Settingsで解像度を圧縮(512×512など)

AudioClipの圧縮

Load TypeをStreamingすると、BGMのメモリ負荷を軽減します!
SE(効果音)をCompressed In Memory選択!

シーンロードを最適化

シーンのロード時間が長い場合、非同期ロード(LoadSceneAsync())を使って、スムーズな切り替えが可能です。
ロード画面を入れて、ユーザー体験を向上!

SceneManager.LoadSceneAsync("GameScene");

まとめ

プロファイラーを活用して、CPU・GPU・メモリのボトルネックを特定!
Update()の最適化で、無駄な処理を削減!
オブジェクトプールを使って、メモリ使用量を最適化!
テクスチャ・オーディオを圧縮して、ファイルサイズを削減!